イタドリ きんぴら スカンポ
今年の山菜採りは、サンショウの新芽を取りに2回ほど出かけた。
それなりの、つまり欲張らない量、楽しく食べ切れる量が採れた。
あまりとると、手間が増し、後でも食べられるが、感激がなくなるだけでなく味も落ちるし、飽きも来る。旬にいただくのが幸せというものだ。ないときに食べる幸せは、幸せではなく我がままである。
さて、春も暖かくというより少し暑くなり、スカンポの季節だ。
あの、酸っぱいやつである。
そう、川原での水遊び、釣りの合間にかじった野草。
酸っぱい理由は、有機酸とシュウ酸らしい。
ホウレンソウを食べた後に、歯がざらつくのもシュウ酸の仕業らしい。
ホウレンソウ自体、花が咲くとわかるが、スイバ、ギシギシの花と同様だし、葉もスイバに似ている。
スイバも、イタドリもスカンポと呼ばれていて、混同している。
スイバとギシギシははた目には良く似ているが、慣れている者には瞬時に区別できる。
イタドリとなると、誰でもわかる。名前を知らないだけの人もいるが。
この三つの中で、スイバとイタドリは酸っぱい。
しかし大きさは大差である。
イタドリも若い株は細い。しかし、太いものは親指くらいの太さがある。
そのイタドリの少し伸びてしまった今頃、ポンと折れる先のほうを採取してきて酒の当てを作った。
話しも長かったが、その下処理も長かった。
やったことは、皮むきとあく抜きだが、手間は1時間程度だが、あく抜きには一晩かかる。皮むき、湯通し、千切り、あくぬきの順であるが、これは今回は塩と塩化Mgを用いた。塩化Mgは要するにニガリ成分で、豆腐の凝固剤であるが、ネットで調べるとシュウ酸だけ抜いて、他の有機酸は残るようなことが書いてあったので試したわけである。実際、渋みは取れた。
最後まで、読んでいただきありがとうございます、というか、蕗、タケノコの代用というよりは、イタドリはイタドリのきんぴらであると言いたい。メンマにも似ている歯ごたえは蕗にはない。
日本酒でにも、ビールにも、ご飯にも合いますね。
高知では一年中食べられているとのことですね。
手間暇のかかった低コストの小皿は、立派な家飲の突出しとなった。自粛時期に朝早く採取し夕方にはテーブルに乗る一品でした。